T-IReCラボについて


田中精密工業は、2017年12月に工場の一部スペースを「ラボ」空間としてリニューアルしました。

 

 

このラボはAIやIoT技術、FA機器を用いて工場の自動化を推進する専門チームであるT-IReC(Tanaka Industrial Revolution Creators)の活動拠点となっています。T-IReCはラボ開所と同時に3か年計画を策定し、IoTレベル3を達成するために活動を行っており、自社向けのIoT装置開発やソフトウェア開発を行っています。

 

<IoTレベル定義>

※IoTレベル1:データの収集、蓄積

※IoTレベル2:データによる分析、予測

 

※IoTレベル3:データによる制御、最適化

 

2023年、この活動は㈱タナカエンジニアリングに引き継がれ、自動化設備の先行検証チームとして活動を継続しています。

 

 


T-IReC活動内容

2017年からIoTレベル3であるデータによる制御、最適化を目指し、活動を開始しました。

 

まずは工場で扱っている情報のデジタル化と可視化に取り組み、寸法測定や設備の点検項目などのデジタル化を行い、BIツールで可視化する仕組みを構築しました。しかし、設備の「稼働」「停止」といった状態を離れた事務所で確認できるだけでは、IoT導入の目的である効率化や改善活動につながりません。そこで、取得したデータを効率、能力、品質、メンテナンスなどの管理項目ごとに整理して表示することで、工場の課題を一目で確認できるようにステップアップしました。

 

この分析、可視化により工場のボトルネックが明確になったことで、設備の異常発見により早く気付くことへの要求が高まってまいりました。当社の熟練の作業者は匂いや音、床の振動などから敏感に設備異常を発見できる能力があります。この職人の感覚を機械化するべく機械学習に取り組み、量産にて金型破損に対する予兆保全用の検出装置を開発しました。

 

近年では画像検査用に開発を進めていた最適化AIを転用し、IoT装置が取得したデータと納品計画、勤怠や使用可能な金型などを考慮し、工場全体を最適化した生産計画を自動立案するアプリを開発してきました。これらの技術が2021年3月に弊社呉羽工場に導入され、量産運用を開始しています。