130型モーターを2つ用意し、加速度計で測定した振動データから判別した例です。
1番のモーターをOK品と定義し、2番のモーターをNG品と定義します。
モーターは実際には不良品ではありませんので、製造固体差という非常に小さな差をMD値として算出した例です。
1番のモーターからOKデータを82個、2番のモーターでNGデータを3個用意しました。
■標本線の配置と単位空間の作成
グラフ表示は1番のモーターの振動を青折れ線、2番のモーターの振動を赤折れ線表示しています。
OKデータは82個、NGデータは3個使用しました。
グラフ全体に標本線を配置するように均等に30本配置しました。
■MD値の算出と判別能力の確認
30本均等配置で作成した単位空間を用いてMD値を計算すると、
NGデータ3つのうち、中央のデータのMD値が、他のNGデータよりも低いことが確認できました。
単位空間から一部のデータを除外し、信号データへ移動させると棒グラフ上で水色で表示されます。今回の例では3つのデータを除外しました。判別能力を確認すると、NGデータよりもMD値が高いことから、この単位空間では誤判定する恐れが確認できます。この後に項目診断や個別項目診断を行い、標本線毎にMD値への寄与度を確認しながら、標本線を再配置し、単位空間を再作成し、適切に判別できるよう最適化していくことになります。
■GA法を用いた標本線配置と単位空間の作成
単位空間を作成するためのデータ、OKデータ、NGデータを用意します。
今回は82個のOKデータのうち78個を単位データ、4個をOKデータとしました。NGデータは3個使用しました。
計算開始ボタンを押すと、画面中央に記載されているようにOKとNGのMD値の差が大きくなるように最適化された標本線位置が自動で計算されます。
画面右下に実際にランダムな配置の標本線が確認できます。
■MD値の算出と判別能力の確認
GA法を用いて最適化された標本線配置で単位空間を作成すると、均等配置でMD値が低かったNG中央データが高くなっていることがわかります。
単位空間から一部のデータを除外し、信号データに移動させ棒グラフで水色で表示しました。
最適化により、信号データのMD値がNGデータよりも低くなり、正しく判別できていることが確認できます。
データを選択して計算開始ボタンを押すことで、誰でも簡単に、短い時間で、有効な単位空間を作成することができます。